麻酔しても痛い原因は?歯医者が解説する「麻酔が効かない・長く残る」理由と対策
2026/01/17
みなさま、こんにちわ!
大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室で、12月1日より事務を担当している篠宮です。
歯医者さんは怖い場所。
痛い場所。
虫歯治療=痛みに耐えながら治してもらう。
あなたも、そういったイメージを持っていたことはないでしょうか?
患者様からも、こんなご相談がよく聞こえてきます。
「痛いですか?」
もちろんです!痛いに決まっています!
なぜなら歯というものは、あなたの体の一部であり、エナメル質という人間の体の中で一番硬い組織に保護されているとはいえ、半分むき出し状態の「骨」のような存在だからです。
そのため、歯を削ったら当然ですが痛いに決まっています。
しかし、その悩みをできる限り和らげてくれるのが「麻酔」です。
「虫歯治療のときに一番痛いのは麻酔だ」
そんなフレーズを聞いたことはないでしょうか。
そう信じて歯医者に行ったのに、
「麻酔をしたのにまだ痛い」
「麻酔が効いていない気がする」
「たくさん麻酔を打たれたから、今日は長時間しびれが残りそう…」
こうしたお悩みを抱えて来院される方は少なくありません。
「歯医者 麻酔 効かない」「麻酔 痛い 原因」「歯医者 麻酔 痛み」といったキーワードで検索して、このページにたどり着いた方もいらっしゃると思います。
結論からお伝えすると、歯科の麻酔の「効きやすさ」や「効いている時間」は、麻酔の量や麻酔薬の質だけで決まるわけではありません。
炎症の度合いや下顎の骨の厚さ、血流、麻酔薬に含まれるアドレナリン(エピネフリン)の有無、そして不安や緊張、その日の体調など、さまざまな条件が重なって決まります。
歯医者で麻酔が効かない・痛いと感じる主な理由
下顎の奥歯は、あごの骨がとても厚く硬い場所です。
そのため、歯ぐきがしびれていても、歯の中の神経まで十分に麻酔が届かないことがあります。
特に、神経の炎症が強いと、刺激に対してとても敏感になっており、「麻酔したのに痛い…」と感じやすくなります。
また、歯茎が大きく腫れていたり、膿がたまっているところは、周囲の環境が変化し、麻酔薬が神経に届きにくくなることが知られています。
血流も増えているため、せっかく効き始めた麻酔が早く流されてしまい、「効きにくい」「すぐ切れる」と感じる原因になります。
さらに、歯科治療への恐怖心や、過去のつらい経験から来る強い不安があると、同じ刺激でも痛みを強く感じやすいという報告もあります。
「今日はすごく緊張している」「あまり眠れていない」といった情報も、麻酔の計画を立てるうえで大切です。
「たくさん打てば長く効く」は本当?
「今日は何回も麻酔を打たれたから、長時間麻酔が切れない気がする」というお声もよく伺います。
実は、歯科麻酔の持続時間を決めているのは、主に次のようなポイントです。
どの種類の麻酔薬を使っているか(もともとの持続時間の差)
どの部位に打ったか(骨の厚さや血流の多さ)
アドレナリン(エピネフリン)という血管をしぼめる成分が入っているか
その日の炎症の強さや体調
極論ですが、10本注射をしたからといって効き時間が10倍も長くなるわけではありません。
むしろ、めまい・ふらつき・しびれ・動悸など、全身の副作用リスクが上がってしまうため、歯科医師は「必要な範囲で最小限、でも十分効く量」を見極めて使用しています。
一方で、麻酔薬に含まれるアドレナリンには、
出血をおさえる
麻酔が早く流れないようにして、効きを少し長持ちさせる
といった役割があります。
もともと血流が穏やかな部位に、アドレナリン入りの麻酔を使用した場合は、「今日はいつもより長くしびれが残っている気がする」と感じることもあります。
「量を増やしたから長く効いている」のではなく、
「打った場所・麻酔の種類・その日の状態」によって、しびれの残り方が変わっている
と考えていただくとイメージしやすいかもしれません。
麻酔するとドキドキするのはなぜ?
「麻酔をしたあと、急に心臓がドキドキして不安になった」という経験がある方もいらっしゃいます。
先ほどお伝えしたように、歯科でよく使われる局所麻酔には少量のアドレナリンが含まれていることが多く、これには血管を収縮させる作用があります。
ただ、もともと緊張が強かったり、カフェインを多く摂っていたり、血圧が高めの方では、一時的にドキドキ感が強く出ることがあります。
「麻酔が合わないのでは?」と感じてしまうこともありますが、多くは数分〜十数分で落ち着いてきますから、過度に心配しすぎなくて大丈夫です。
しかしながら、心臓のご病気や高血圧の治療中の方は、事前に必ずお知らせください。
状態に合わせて、アドレナリン量の少ない麻酔薬を選ぶなど、できる限り安全な範囲で方法を調整していきます。
当院が行っている「痛みを抑える工夫」
大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室には、過去に「麻酔が効かずにつらい思いをした」「痛みが怖くて歯医者から足が遠のいていた」という方も来院されています。
そうした方に少しでも安心していただけるよう、当院では次のような点を大切にしています。
治療前に、過去の麻酔の経験や不安な点をじっくりヒアリング
表面麻酔で、針を刺すときの痛みをできるだけ軽くする
電動麻酔器(オーラスター)と極細の針を使い、一定の速度でゆっくり注入することで、圧力による痛みを和らげる
また、インプラントやオールオン4などの外科的な治療では、CTとサージカルガイド(DIO Navi)、デジタル印象を組み合わせることで事前のシミュレーションを行い、できるだけ負担の少ない形で手術を行うようにしています。
これも、予定外の痛みや腫れを減らすための準備です。
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小児や妊婦さんの歯科麻酔について
最後に、「子どもへの麻酔は大丈夫?」「妊娠中なんだけど、赤ちゃんへの影響と母体への負担は平気ですか?」というご質問にも少し触れておきます。
小児(こども)の歯科麻酔
お子さんへの歯科局所麻酔は、体重に合わせて量をきちんと計算し、正しく使えば安全に行えるものとされています。
子どもの場合は、大人と同じ量を使うのではなく、年齢や体重をもとに「最大量」を決めて、その範囲内で使います。
一度に使いすぎると、まれに気分不良やけいれんなどの中毒症状、
特殊な体質ではメトヘモグロビン血症と呼ばれる酸欠状態を起こす可能性があるため、
歯科医師は必ず「どの薬を、何mL使ったか」を管理しています。
副作用として多いのは、アレルギーよりもむしろ、
・しびれている間に唇やほっぺを噛んでしまうこと
・気になって傷口を指で触ってしまい、ばい菌が付着してしまうこと
のほうが、私たちとしては心配です。
一方で、きちんと麻酔を使って「痛くない治療」を経験してもらうことは、その子の将来の“歯医者嫌い”を防ぐ意味でもとても大切だと考えています。
痛みの少ない治療経験がある子どもほど、大きくなってからも定期検診に通いやすい、という報告もあります。
当院でも、大切なお子さん一人ひとりに合わせて、必要最小限かつ、できるだけ負担の少ない方法を選ぶようにしています。
ご心配なことがあれば、その場で何でも聞いてくださいね。
妊婦さんの歯科麻酔
妊娠中の方からは、
「麻酔は赤ちゃんに影響しませんか?」
「妊娠中は歯医者に行かない方がいいですか?」
というご相談を多くいただきます。
これまでの多くの研究から、一般的に使われているリドカイン+少量のエピネフリン(アドレナリン)による局所麻酔は、妊娠中でも安全に使用できると報告されています。
流産のリスクを高める
先天異常(奇形)を増やす
低出生体重児の割合を増やす
といった悪影響は、麻酔を使わなかった妊婦さんと比べても差がなかった、というデータが出ています。
一方で、妊娠中は血圧や血流、呼吸などが普段と少し変わるため、
長時間まっすぐ仰向けになりすぎないようにする
気分が悪くなったらすぐ体勢を変える
高血圧や糖尿病、心臓のご病気がある場合は、アドレナリンの量を慎重にする
といった配慮が必要になります。
「麻酔が心配だから」と歯の痛みや腫れを我慢し続けると、そのストレスや感染自体が、かえって妊娠経過に悪影響を与えることもあります。
産婦人科での指示がある場合は、その内容も踏まえて進めますので、受診の際にぜひ教えてください。
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大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室 理事長 小林 伸
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