梅雨のだるさを乗り切る食事と、雨の日に歯が痛むワケ|管理栄養士が解説・歯科医師監修【大崎オーバルコート歯科】

   

Q. 梅雨になると体がだるくて食欲も落ちます。雨の日に歯がうずくこともあるのですが、関係はありますか?
A. 梅雨は気温・気圧の変化で体に負担がかかりやすく、自律神経が乱れてだるさや食欲低下を感じやすい時期です。食事では3食を抜かず、たんぱく質を1品プラスし、温かいものを取り入れることが体調を整える助けになります。また、気圧の変化で歯が痛むこと(気圧性歯痛)が報告されており、その多くはもともと歯にあった問題が背景にあると考えられています。雨の日の歯の痛みは隠れたトラブルのサインのことがありますので、我慢せず歯科にご相談ください。

みなさん、こんにちは。大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室で管理栄養士をしている山本です。

梅雨の時期は、毎日のように雨が続いて気分がすっきりせず、なんとなく体が重い、だるい――そんな声を、大崎の当院でも患者さんからよくお聞きします。じめじめした空気のなかで「食欲がわかない」「よく眠れない」と感じる方も少なくありません。

この記事では、管理栄養士の立場から「梅雨のだるさを少しでもらくにするための食事の工夫」をお伝えします。あわせて、雨や台風の時期に「歯が痛い」と感じる方のために、気圧の変化と歯の痛みの関係についても、院長・小林の監修のもとでご紹介します。どれも今日から無理なく始められることばかりですので、できるところから取り入れてみてください。

 

梅雨はなぜだるい?気温・気圧の変化と体の関係

梅雨の時期は、雨が続いて日照時間が短くなり、気分がどんよりしやすくなります。それだけでなく、気温や気圧が短い周期で変化するため、体には思っている以上に負担がかかっています。

私たちの体には、体温・血圧・睡眠・ホルモン分泌などを24時間のリズムで調整する「体内時計」があります。農林水産省の食育情報でも、この体内リズムと生活リズムのズレは大きなストレスとなって心身のバランスを崩すと説明されています。梅雨のように生活リズムが乱れやすい時期は、このズレが大きくなりやすいのです。

また、気温の急な変化も体にこたえます。1日のなかで7℃以上の気温差や、室内外の温度差が大きい環境では、自律神経が頻繁に切り替わって過剰に働き、倦怠感・頭痛・肩こり・めまいといった疲労症状が出やすくなると、医師監修の解説(きだ内科クリニック)でも紹介されています。こうした気温・気圧の変化で起こる不調は、近年「気象病」「寒暖差疲労」とも呼ばれています。

つまり、梅雨のだるさは「気のせい」ではなく、体が変化に一生懸命対応している証でもあります。だからこそ、毎日の食事でエネルギーと栄養をしっかり補うことが、この時期を元気に過ごすための土台になります。

 

だるい日こそ3食しっかり。たんぱく質を1品プラス

体調を整えるうえで、私が管理栄養士としていちばんお伝えしたいのが「食事を抜かないこと」です。

体内リズムと生活リズムのズレをなくすには、まず朝食をしっかりとることが大切だと、農林水産省も挙げています。だるくて食欲がないと、つい朝食を抜いたり、簡単に済ませたりしがちですが、1日のスタートに食事をとることが、乱れがちなリズムを整える助けになります。

そのうえで意識していただきたいのが、たんぱく質です。厚生労働省 e-ヘルスネットによると、たんぱく質は筋肉・臓器・皮膚・毛髪などをつくる「体構成成分」であると同時に、ホルモン・酵素・抗体などの「体調節機能成分」でもあり、炭水化物・脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。不足すると体力や免疫機能の低下が起こるとされています。なかでも卵類・肉類・豆類は、含有量が多く利用率の高い「良質なたんぱく質」とされています。

食べたたんぱく質は、胃や小腸で消化されてアミノ酸となり吸収され、肝臓などに運ばれて、必要に応じて体をつくる材料になったり、体を動かすためのエネルギーになったりします(厚生労働省 e-ヘルスネット)。だるい時期のエネルギーづくりにも関わる、大切な栄養素なのです。

さらに、ビタミンB1・B2・ナイアシンには、糖質などをエネルギーに変える代謝を助ける働きがあり、エネルギーやたんぱく質の摂取量に応じて、これらビタミンの摂取を増やすことも必要とされています(厚生労働省 e-ヘルスネット)。豚肉やレバー、納豆、卵などは、たんぱく質とこれらのビタミンをいっしょにとりやすい食材です。

食欲がない日でも、ごはんやめん類だけで終わらせず、ゆで卵を1つ、冷ややっこを1皿、ツナやサバの缶詰をひとさじ――そんなふうに「たんぱく質を1品プラス」する。それだけでも、エネルギーづくりを助ける食事に近づきます。

 

冷たいものの摂りすぎに注意。温かい食事で胃腸をいたわる

じめじめと蒸し暑い梅雨は、つい冷たい飲み物やアイスに手がのびます。けれども、冷たいものの摂りすぎには少し注意が必要です。

消化器内科の解説(池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック監修)によると、冷たい飲み物を摂ると胃粘膜の血管が収縮して血流が悪くなり、胃が冷えると胃酸や消化酵素の分泌量が一時的に低下するとされています。さらに腸が冷えると蠕動運動が弱まり、便秘やガスだまりにつながることもあるそうです。お腹が冷えて食欲がさらに落ちる、という悪循環になりかねません。

そこでおすすめしたいのが、温かい食事を1日のどこかに取り入れることです。たとえば、具だくさんのみそ汁やスープ。野菜と卵、豆腐や鶏肉を加えれば、温かさと一緒にたんぱく質やビタミンも補えます。冷たいものをやめる必要はありません。「冷たいものばかりにならないよう、温かい一品を添える」くらいの気持ちで十分です。

食欲がどうしても落ちているときは、おかゆも心強い味方です。明治の栄養情報によると、おかゆはごはんより水分が多く、1杯のエネルギーはごはんの半分以下になるため、卵などほかの食材を加えてエネルギーと栄養をプラスする工夫が有効とされています。温かいおかゆに卵を落として、薬味を少し添える。それだけで、食べやすさと栄養を両立できます。

特に、年齢を重ねた方では食欲が落ちやすいことが知られています。国立長寿医療研究センターは、加齢に伴う嚥下機能の低下や、味やにおいを感じる力の低下、消化吸収を司る臓器の機能低下などが食欲低下の一因になると説明しています。ご家族に高齢の方がいらっしゃる場合は、温かく食べやすい一品から無理なく、を合言葉にしてみてください。

 

梅雨・台風の気圧変化と歯の痛み(歯科医師・小林の見解)

ここからは、当院の理事長・院長で歯科医師の小林の監修のもと、雨や台風の時期に「歯が痛む」という方に向けたお話をご紹介します。なお、この章は確実な診断や効果を保証するものではなく、報告されている内容・考えられている仕組みとしてお読みください。

気圧の変化によって歯が痛むことは、「気圧性歯痛(barodontalgia/航空性歯痛とも)」として歯科の分野で報告されています。Zadik(2009年・Journal of Endodontics)の総説では、飛行・ダイビング・高圧酸素療法など、環境の気圧が変わる場面で起こる、稀ではあるものの歯科医が遭遇しうる痛みとして整理されています。

その仕組みについては、いくつかの報告があります。Stoetzerら(2012年・Case Reports in Dentistry)は、閉じた空間内のガスがふくらむこと(ボイルの法則)と、歯の神経(歯髄)の微小な血のめぐりの障害によって痛みが生じると考えられ、臨床的に発症する患者さんの多くは、象牙質に達する虫歯や、適合のよくない詰め物を抱えていたと報告しています。同じ報告では、気圧の変化は無症状で潜んでいた歯髄の問題を表に出す(もともとあった問題を悪化させる)ものだとされています。実際にこの報告では、飛行中に起きて着陸後も続いた強い歯痛の症例で、画像上に根の先の透過像(根尖病変を示す所見)が認められ、根管治療を行ってはじめて痛みが消えたケースが紹介されています。

つまり、健康な歯が気圧だけで痛むわけではない、という点が大切です。痛みが出やすいのは、進行した虫歯、歯髄炎、根尖性歯周炎、治療途中の歯や神経の処置をした歯、適合のよくない詰め物の下にすき間がある歯など、もともと炎症や問題を抱えた歯だと考えられています。複数の歯科医院の解説(たかはし歯科、阿佐ヶ谷パール歯科・矯正歯科)でも、気圧が低くなると歯の内部の空気や血管が膨張して神経を刺激することがあるものの、歯が正常であれば痛みは生じにくく、こうした場面で歯痛を感じる場合は虫歯などで歯髄に炎症が生じている可能性が指摘されています。

あわせて知っておきたいのが、「気象病・天気痛」と呼ばれる体の反応です。気象病研究の第一人者である佐藤純医師(愛知医科大学客員教授・中部大学大学院教授)監修の解説(大塚製薬・大正製薬)によると、気圧の変化を内耳が感じ取ると、その情報が前庭神経を介して脳に伝わってストレスとなり、自律神経のアンバランスを引き起こすと考えられています。交感神経が優位になって血管が収縮すると痛み物質が生じ、痛みの神経が刺激される――こうした流れで、頭痛や肩こり、だるさなどが起こりやすくなるとされています。近年では、気圧の低下を繰り返すと痛みが増強しストレスホルモンが上昇したという査読付きの動物実験(Terajimaら, 2025, PLOS ONE)も報告されており、気圧の変化が痛みに関わることが少しずつ研究されています。

これらをふまえて、院長・小林からのお伝えしたいことは次のとおりです。梅雨や台風の時期に歯が痛む場合、それは隠れていた歯のトラブルのサインのことがあります。痛みを我慢して様子を見るのではなく、一度歯科を受診していただくことをおすすめします。そして、日頃のていねいなケアと定期検診で治療を完了させ、お口を健やかな状態に保っておくことが、気圧の変化に影響されにくい状態づくりにつながると考えられています。

 

よくある質問

Q. 梅雨のだるさには、まず何から始めればいいですか?
A. まずは朝食を抜かないことから始めてみてください。農林水産省も、乱れがちな生活リズムを整えるには朝食をしっかりとることが大切だとしています。そのうえで、卵や納豆などたんぱく質を1品加えると、エネルギーづくりを助ける食事に近づきます。完璧を目指さず、できることから少しずつで大丈夫です。
Q. 食欲がないときでも、何か食べたほうがいいですか?
A. 無理は禁物ですが、可能な範囲で少量でも口にすることをおすすめします。食欲がないときは、温かいおかゆに卵を落とすなど、食べやすく栄養を補える工夫が役立ちます。明治の栄養情報でも、おかゆに食材を加えてエネルギーと栄養をプラスする方法が紹介されています。
Q. 冷たいものは我慢しないといけませんか?
A. 完全に我慢する必要はありません。ただ、冷たいものばかりだと胃腸が冷えて、消化酵素の分泌が一時的に低下し、かえって食欲が落ちることがあるとされています。冷たいものを楽しみつつ、温かいスープやみそ汁を一品添える、というバランスを意識してみてください。
Q. 雨の日や台風が近づくと歯が痛むのですが、放っておいて大丈夫ですか?
A. 気圧の変化で歯が痛むこと(気圧性歯痛)は報告されており、その背景にはもともとの虫歯や神経の問題が隠れていることがあると考えられています。健康な歯が気圧だけで痛むわけではないとされていますので、繰り返す痛みは自己判断せず、一度歯科にご相談ください。
Q. 気圧の変化で歯が痛まないように、予防はできますか?
A. 歯科医院の解説でも、虫歯などの治療を完了させ、定期検診で歯を健やかに保つことが予防として挙げられています。日頃のていねいなケアと定期的なチェックで、お口にトラブルを抱えていない状態にしておくことが、気圧の変化に影響されにくい状態づくりにつながると考えられています。

 

まとめ+ご相談のご案内

梅雨のだるさは、気温や気圧の変化に体が対応しようとして起こりやすくなるものです。だからこそ、3食を抜かずたんぱく質を1品プラスすること、冷たいものに偏らず温かい食事を取り入れることが、この時期を元気に過ごす助けになります。できることから少しずつ、無理のない範囲で取り入れてみてください。

そして、雨や台風の時期に歯が痛む場合は、隠れていた歯のトラブルのサインのことがあります。次のような場合は、我慢せず歯科にご相談ください。

・雨や台風が近づくと、決まって歯がうずく・痛む

・以前から気になっていた歯が、最近痛むようになった

・冷たいもの・甘いものでしみる、噛むと痛い

・痛みが続く、または繰り返している

当院では、管理栄養士による栄養相談や、患者さんのお話をていねいにうかがうカウンセリングを大切にしています。お口の状態だけでなく、食事や生活面のお困りごともあわせてご相談いただけます。歯の痛みの原因を確認し、必要なケアや治療について、おひとりおひとりに合わせてご説明します。

ご予約・ご相談は、以下からお気軽にどうぞ。

・初診ネット予約:https://oval-dc.net/reservation

・お電話:03-5739-1625

・アクセス:JR大崎駅 徒歩4分/東京都品川区東五反田2-16-1 ザ・パークタワー1F

 

この記事を書いた人

山本(やまもと)/大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室 管理栄養士
管理栄養士として、食事・栄養の面から患者さんの口腔と全身の健康づくりを支えています。本記事は食事・栄養の観点を中心に執筆し、歯に関する医学的内容は院長・小林の監修を受けています。

 

監修者

小林 伸(こばやし しん)/大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室 理事長・院長(歯科医師)
2016年に医療法人社団KDSを設立し、理事長に就任。
所属・認定・資格等:ITI公認インプラントスペシャリスト、日本臨床歯周病学会 歯周病認定医、日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医、インビザライン・ドクター
本記事の歯に関する内容は、歯科医師である小林が監修しています。

 

参考文献

・Zadik Y. Barodontalgia. Journal of Endodontics. 2009;35(4):481-485. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19345791/
・Stoetzer M, Kuehlhorn C, Ruecker M, Ziebolz D, Gellrich NC, von See C. Pathophysiology of Barodontalgia: A Case Report and Review of the Literature. Case Reports in Dentistry. 2012;2012:453415. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3518957/
・Terajima Y, Sato J, Inagaki H, Ushida T. The effects of lowering barometric pressure on pain behavior and the stress hormone in mice with neuropathic pain. PLOS ONE. 2025;20(1):e0317767. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0317767
・佐藤純 監修「専門家に聞く『天気痛とは?〜その原因とメカニズム〜』」大塚製薬 酸素研究所 https://www.otsuka.co.jp/oxygen-lab/research/sj001.html
・佐藤純 監修「天気痛|原因・症状・治し方・予防法」大正健康ナビ(大正製薬) https://www.taisho-kenko.com/disease/640/
・厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-044.html
・厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-001.html
・厚生労働省 e-ヘルスネット「ビタミン」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-027.html
・農林水産省「朝食が大事なワケ」 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/oneday/morning1.html
・池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック「冷たい飲み物と胃腸への影響」 https://www.ikebukuro-cl.com/media/stool/1073/
・きだ内科クリニック「【医師解説】寒暖差疲労とは?」 https://kida-clinic.jp/blog/%E3%80%90%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E3%80%91%E5%AF%92%E6%9A%96%E5%B7%AE%E7%96%B2%E5%8A%B4%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E7%A7%8B%E5%86%AC%E3%81%AB%E5%A2%97%E3%81%88%E3%82%8B%E8%87%AA%E5%BE%8B
・株式会社 明治 栄養ケア倶楽部「食べる力が落ちてきた人の栄養アップ対策」 https://www.meiji.co.jp/meiji-eiyoucare/knowledge/malnutrition/008.html
・国立長寿医療研究センター「高齢者の食欲低下について」 https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/33.html
・たかはし歯科「気圧性歯痛」 https://implant-tdc.jp/blog_articles/1696293594.html
・阿佐ヶ谷パール歯科・矯正歯科「歯が痛いのは気圧の変化が原因?その仕組みと予防法を解説」 https://asagaya-shika.com/blog/20240701/

 

免責事項

本記事は、梅雨の時期の食事・体調管理や、気圧の変化と歯の痛みに関する一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の効果や治療結果を確約・保証するものではありません。気圧性歯痛・気象病・天気痛に関する内容は、現時点で報告・指摘されている範囲をご紹介したもので、すべての方に当てはまるものではありません。栄養や食事の工夫は健康づくりを支えるものであり、症状の改善を約束するものではありません。お口の痛みや体調の不調がある場合は、自己判断をなさらず、歯科医師・医師などの専門家にご相談のうえ、診察・診断を受けてください。記載内容は公開時点の情報に基づいています。

 



当サイト内の文章、画像、動画等は知的財産権により守られています。
すべてのコンテンツの無断転載、無断引用はご遠慮ください。

転載・引用をご希望の場合は、必ず当院までご相談ください。
大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室 理事長 小林 伸


医療法人社団KDS 大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室:https://oval-dc.net/

〒141-0022 東京都品川区東五反田2-16-1 ザ・パークタワー1F
電話:03-5739-1625

電車でお越しの方:
JR線「大崎」駅より徒歩4分
JR線「五反田」駅より徒歩10分

スマートフォン表示ですと、レイアウトが崩れてしまいます。
ご了承下さい

PAGE TOP