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咬合力(こうごうりょく)とは?平均・検査の基準値(オラモ)と噛む力が低下するとどうなるか|大崎の歯科が解説

      2026/09/21

Q.咬合力(こうごうりょく)とは?低下すると何が起きますか?
A.咬合力とは「噛む力」のことです。加齢や歯の欠損、かみ合わせの乱れなどで低下すると、硬いものを避けて軟らかい食事にかたよりやすくなり、栄養のかたよりや低栄養、口や全身の衰え(オーラルフレイル・フレイル)につながることがあります。噛みにくさが気になるときは、歯やかみ合わせの状態を歯科医院で確認してもらうと安心です。

 

咬合力(こうごうりょく)とは?読み方と意味

咬合力は「こうごうりょく」と読み、上下の歯で噛みしめたときに歯やあごにかかる力、つまり「噛む力」のことを指します。食べ物をかみ砕いてすりつぶす、しっかり飲み込める形にする、といった毎日の食事に欠かせない働きを支えています。

 

咬合力が低下するとどうなる?

咬合力が低下すると、硬いものや繊維質の多い食べ物が噛みにくくなり、やわらかい食べ物を選びがちになります。その結果、肉などのタンパク質や、ビタミン・ミネラルの多い野菜が不足して栄養がかたより、低栄養になりやすくなることがあります。

こうした「噛む・飲み込む」働きの軽度な衰えは、厚生労働省や歯科の学会がオーラルフレイル(口の働きが少しずつ衰えた状態)として注意を呼びかけているものです。噛める食品が減る、軟らかいものを選びがちになる、といったささいな変化から始まり、放置すると咀嚼(そしゃく)機能の低下や低栄養、全身の衰え(フレイル)につながりうるとされています。一方で、早めに気づいて対策をすれば改善が期待できるとも説明されています。

 

咬合力の平均と「低下」の判定基準

咬合力はN(ニュートン)という単位で表されます。噛む力の平均値や、機能が低下していると判断する目安には、次のような報告・基準があります。

平均的な咬合力:地域在住の高齢者を対象とした研究では、最大咬合力の平均は男性で約581N、女性で約447Nと報告されています(対象は平均年齢およそ74歳の集団)。

「咬合力低下」の判定基準(口腔機能低下症の検査項目のひとつ):口腔機能モニター(Oramo-bf)で最大咬合力375N未満、感圧フィルム(デンタルプレスケールII・フィルターなし)で500N未満が目安とされています。

歯の本数の目安:残っている歯(残根や大きくグラつく歯を除く)が20本未満であることも、噛む機能を見る目安のひとつです。

これらはあくまで研究や検査の目安です。数値だけで健康・不健康が決まるわけではなく、実際の噛みやすさや食事の状況とあわせて考えます。気になる場合は歯科医院でご相談ください。

 

咬合力の調べ方(検査方法)

①機械で数値化する方法
専用の機器で噛む力を測り、N(ニュートン)という単位で数値化します。当院(大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室)では、口腔機能モニター「Oramo-bf(オラモ)」を用いて咬合力を数値で確認しています。

②残っている歯の本数で見る方法
自分の歯が何本残っているかでも、噛む機能の目安がわかります。残根(歯の根だけが残った状態)や大きくグラついている歯を除いて数え、20本未満かどうかがひとつの目安になります。

 

噛む力を回復・維持するには

歯科での対応
歯が欠けている・失われている部分は、入れ歯・ブリッジ・インプラントなどで噛めるように補い、かみ合わせがずれている場合は調整を行うなど、状態に応じた歯科治療で噛む機能の回復をはかります。どの方法が向くかは歯やあごの状態によって異なり、費用・期間・治療のリスクや副作用も含めて診察のうえで判断します。

食事面の工夫
当院の管理栄養士は、日々の食事でも噛む力を保つ工夫をおすすめしています。噛み応えのある食品を少しずつ取り入れる、食材を大きめに切る、加熱時間を短くして歯ごたえを残す、といった方法です。「80歳で20本以上の歯を保とう」という8020(ハチマルニイマル)運動でも、歯を保ち噛めることが食生活や会話などの生活の質(QOL)の向上につながるとされています。硬いものと噛む力の関係は「硬いものを食べれば噛む力は鍛えられる?」もあわせてご覧ください。

毎日のケアについては予防歯科のページもご参考ください。

 

受診の目安

次のようなことが続く場合は、歯やかみ合わせ、噛む力の状態を一度確認してもらうと安心です。

以前より硬いものが噛みにくい・軟らかいものばかり選んでしまう

食事中にむせる、食べこぼしが増えた

歯が抜けたまま・入れ歯が合わないままになっている

かみ合わせに違和感がある

咬合力の低下や口腔機能の状態は、Web上で自己診断することはできません。気になる症状がある場合は、歯科医院での相談・検査をおすすめします。

 

よくある質問

Q.咬合力の読み方は?
A.「こうごうりょく」と読みます。噛む力(噛みしめたときに歯やあごにかかる力)のことです。
Q.咬合力が下がっているか自分でわかりますか?
A.硬いものが噛みにくい、軟らかいものばかり選んでしまう、といった変化が目安になります。ただし正確な力の大きさは機器での測定や歯科医師の診察でわかるため、気になる場合は受診をおすすめします。
Q.噛む力は鍛えられますか?
A.噛み応えのある食事を取り入れるなど、日々の工夫で噛む機能を保つことは大切です。ただし効果には個人差があり、歯やかみ合わせに問題がある場合はまずその治療が必要になることもあります。無理に硬いものを噛むとかえって歯やあごを傷めることがあるため、心配な場合は歯科医院でご相談ください。
Q.若い人や子どもも関係ありますか?
A.咬合力は年代を問わず、歯の欠損やかみ合わせ、むし歯・歯周病などの影響を受けます。年齢にかかわらず、噛みにくさや歯の状態が気になるときは早めの相談が安心です。

 

まとめ

咬合力(こうごうりょく)は「噛む力」のことで、低下すると軟らかい食事にかたより、栄養のかたよりや低栄養、口・全身の衰えにつながることがあります。平均や判定基準といった目安はありますが、数値だけで判断せず、実際の噛みやすさや歯・かみ合わせの状態とあわせて考えることが大切です。噛む力は、歯科治療と毎日の食事・ケアの両面から保つことができます。気になる症状がある場合は、早めに歯科医院でご相談ください。

 

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監修医・医院情報

監修医:小林 伸(医療法人KDS 理事長/日本臨床歯周病学会 認定医/ITIインプラントスペシャリスト/日本顎咬合学会 認定医)
専門:フルアーチインプラント、審美修復、歯周形成外科
所属:日本臨床歯周病学会、日本顎咬合学会、ITIインプラントメンバー ほか
大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室(〒141-0022 東京都品川区東五反田2-16-1 ザ・パークタワー1F/JR大崎駅 徒歩4分/TEL 03-5739-1625)

厚生労働省 e-ヘルスネット「8020運動とは」:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-01-003.html

日本老年歯科医学会「口腔機能低下症 保険診療における検査と診断」:https://www.gerodontology.jp/committee/file/oralfunctiondeterioration_document.pdf

Iwasaki M, et al. Standard Values and Concurrent Validity of a Newly Developed Occlusal Force-Measuring Device among Community-Dwelling Older Adults: The Otassha Study. Int J Environ Res Public Health. 2022;19(9):5588:https://doi.org/10.3390/ijerph19095588

8020推進財団「オーラルフレイル」:https://www.8020zaidan.or.jp/oralfrail/

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。噛む力や口腔機能の状態には個人差があり、記載した数値や目安はすべての方に同じ結果をお約束するものではありません。気になる症状や治療については、歯科医院での診察をおすすめします。

最終更新: 2026年9月20日



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大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室 理事長 小林 伸


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