大崎 五反田の歯医者なら、大崎駅より徒歩4分 大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室

みなさま、こんにちは。品川区　大崎・五反田の歯科治療なら大崎オーバルコート歯科・矯正歯科室、歯科医師の八木です。日に日に秋が深まって参りましたが、お変わりありませんでしょうか。

さて、今回は「マタニティ歯科」についてお話しさせていただきたいと思います。

マタニティ歯科とは、妊娠中、授乳中のお母さん、授乳中の赤ちゃんを対象とした歯科治療と予防歯科治療のことを言います。

では、妊娠すると、どのようなことが妊婦さんにみられるのでしょうか。

　妊娠性歯肉炎

妊娠により女性ホルモンが増え、歯と歯ぐきの間に滞留し、それをエサとする歯周病菌によって歯茎に炎症が起きてしまいます。

つわりによる歯磨きのしにくさも関係しています。具体的には、歯ぐきの腫れ、出血が起こります。普通の歯肉炎と違い、痛みが出にくいという特徴があり、進行しやすいので注意が必要です。

特に妊娠初期の5～20週くらいから起こりやすいです。できるだけ早めに歯科を受診してひどくならないようにする必要があります。

また、歯周病菌が出す物質によって、子宮が収縮し、陣痛を起こし、お腹の赤ちゃんに悪影響が出て、低体重児や早産の確率が7倍になる、流産もリスクも上がると言われています。

　妊娠性エプーリス

妊娠中に、歯ぐきにしこりができることがあります。

妊娠中のホルモンの増加によって、歯ぐきのコラーゲンが増殖したことが原因です。主に、上の前歯や、下の奥歯の歯ぐきにみられます。

これは、ほとんどが良性の腫瘍なので、心配はありません。出産後に自然に治ることが多いです。

　虫歯・歯周病

妊娠中のつわりによる、歯ブラシのしにくさ、食事回数が増えることによってお口の中が酸性になったり、ホルモンの増加によって歯周病が活発になったりするため、どうしても虫歯・歯周病になりやすくなります。

妊婦さん特有の治療の注意点があります。それは、治療を受けるタイミングです。

 妊娠初期 0～15週

この時期は、妊婦さんに歯科治療のストレスを与えることで、胎児に影響を及ぼしたり、つわりもひどくて、余計にストレスを感じやすいので、一般的な治療は安定期まで待ってから行います。

 妊娠中期(安定期) 16～27週

この時期は安定期と呼ばれ、歯科治療には適しています。一般的に比較的体調がよいと感じられる時期で、胎児に与える影響が非常に少ない時期です。この時期だと歯を削ったり、神経の治療をしたりするような通常の歯科治療も可能です。妊娠初期に様子を見ていた治療もできます。

 妊娠後期 28週～

この時期は、お腹は大きいですし、仰向けになるのが辛い時期です。また治療による刺激を与えることで早産を誘導することもあります。

しかしながら、歯に痛みがあるなどの応急処置は、むしろしないことが母体に刺激になり、早産につながる事もあるので、応急処置はする必要はありますが、そうでない場合は様子を見て、出産後に治療をします。

虫歯の母子感染について

生まれたばかりの赤ちゃんのお口には虫歯菌はいません。では、どこからやってくるかと言うと、お母さんや周りの人のお口からうつります。このことを母子感染と言います。

母子感染は、大人がくちうつしで食べ物を食べさせたり、同じスプーンや箸を使ったりすると感染します。

歯が生えてない時期は、お口の中に虫歯菌が入っても、虫歯菌は生きていけないので感染しません。感染しやすい時期は、1歳半から2歳半くらいです。この感染しやすい時期を、「感染の窓」と言います。この時期に、気を付けて感染を防げば、将来的にも虫歯になりにくい体質の歯（お口の環境）に変わります。

では一体どうしたら防ぐことができるでしょうか。

重要なキーワードに「マイナス1歳からの虫歯予防」があります。

マイナス1歳というのは、お腹にいる赤ちゃんのことですが、お母さんの歯の健康状態がお腹の赤ちゃんの虫歯予防に非常に重要です。

お母さんが妊娠中にお口のケアをしっかり行えば、生まれてくる赤ちゃんが虫歯になりにくくなります。

具体的な方法としては、妊娠中のお母さんは、

1. 歯の検診、治療を受ける

妊娠中は、つわりやホルモンの増加、食生活の変化で虫歯、歯周病になりやすくなります。

妊娠の安定期に、虫歯、歯周病のチェックや治療、歯磨き指導を受けましょう。

2. 歯のクリーニングを受ける

歯石はもちろん、歯の表面についた「バイオフィルム」という歯の汚れをクリーニングで取りましょう。当院では患者様に応じて、様々な方法でクリーニングを実施しております。